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が覚めると、そこには見慣れた光景が広がっている。真っ白な天井と、いつも通り少し散らかっている床。秋の風がカーテンを揺らして、電車の音と共に窓から入り込む。10月の朝だ

 

う何度目になるかなんて覚えていないが、また、彼氏の家に泊まっている。実家暮らしの彼氏の家にお邪魔するのは、いつも気が重くて、未だに慣れない。しかし、自らの意思で泊まりに来ているのだから、気が重いなら泊まりに来なければ良い話だ

 

かし、私は、自分の家が大変苦手なのである。みんな、同じ屋根の下に居るだけで、家庭とは程遠く、1人ひとりが別のことをしている。帰りの遅い仕事人の父とは、全く会話しない日もあるくらいだ

 

族が嫌いという話ではない。むしろ、妹とは仲が良く、1度も喧嘩をしたことがない。ただ、両親同士の、両親と私の間に流れているギスギスとした空気に耐えきれないのである

 

まで比較的キツい性格で、攻撃的だった母親は、私がリストカットをしている事実に気付いた日から、妙に優しくなった。いや、常に顔色を伺われていると言った方が正しいと思う。非常に距離感を感じるのである、娘は

 

常、父が何か発言する度に、毎回キレた口調で母が返事をする。そう、父もまた、常時、母の顔色を伺っているのである。きっと、私の両親の心同士は、既に離婚しているのだ

 

・・・今日はもう、家に帰らなければならない。明日はバイトがあるし、何より私達は秘密の関係なのだ。もっと、もっと慎重にならなけらばいけないのである

 

思議と今は、死にたいという感情はないに等しい。家に帰ったら、再び息苦しさを覚えながら、特に味もしないご飯を食べよう。そしたら、オナニーをして沢山寝よう。まだ私は人間なのだ

 

では